中国知的財産権の最新動向(2015年12月)-琼瑶の于正に対する著作権侵害案件の訴えの終審判決:琼瑶が勝訴
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有名なドラマ「梅花烙」のシナリオは1992年10月に創作完成され、全部で21話であり、紙質で公開されていない。このシナリオを基に撮影されたドラマ「梅花烙」の内容と当該シナリオは高度一致し、全部で21話であり、1993年10月13日台湾地区で初めて放送され、1994年4月13日から中国大陸地区で初めて放送された。ドラマ「梅花烙」のオープニング字幕では脚本は林久愉であると書かれている。林久愉は2014年6月20日公証で証明された「声明書」を提出し、「梅花烙」は陳喆(ペンネーム:琼瑶)が独自に完成し、陳喆は最初からシナリオの全部著作権および相関権益を有すると主張した。
余征(ペンネーム:于正)はシナリオ「宮鎖連城」(別名「凤還巢之連城」)の「作品登録証明書」で記載された作者であり、ドラマ「宮鎖連城」の署名脚本で、シナリオは全部で20話である。作品登録証明書で記載されたシナリオの完成時間は2012年7月17日であり、初めて発表した時間は2014年4月8日である。余征は2012年6月5日に湖南経視公司に「授権証明書」を提出した。
一審において、原告陳喆は専門家補助人汪海林に、シナリオの創作問題について意見を発表するよう委託した。彼は:シナリオの核心的な創作価値は素晴らしいストリー段落の設計にあり、具体的ストリーは特定な結合と編集でシナリオの最終的な表現になる。先に存在するシナリオの内容の使用はそのドラマの内容を見ることで実現される。キャラクタの設置と映像作品のストリーの関連性から見て、比較する両作品の男女主人公の関係およびストリーの配置が一定程度の類似性を有すると、両作品の類似性判断の基礎となりうる。具体的人物設置、人物関係、具体的ストリーおよび段落、およびストリーの結合からできた物語はシナリオの創作的表現にすることができる。相関ストリーに対して、両作品の一部些細なところの比較で差異がある場合、差異が発生した部分が同じく戯劇機能を有するか否かを判断し、戯劇部分に実質的変化が起こってない場合、前後作品の類似関係を簡単に排除してはならない。
2015年12月18日、北京市高級人民法院は「琼瑶の于正に対する権利侵害の訴え」に対し終審判決を下し、各被告の上訴請求を却下し、元審判決を維持した。当該案件で琼瑶が勝訴し、于正が公開お詫びをし、「宮鎖連城」の放送を中止し、出版者と被告に合計500万人民元を賠償させた。
「HFGのコメント」
本件の終審判決は作品間の同一または類似する具体的標準を明確にし、今後の著作権保護に方向を知らせた。